昔、大阪のセミナー会社で働いてた。その当時の上司とのエピソードが今でもワイの記憶に残ってる。
その会社にはとんでもない先輩がいた。なんと彼は社内で情報商材を売りさばいていたのよ。
しかも、それが会社の業務とは全く関係のないもの。
ある日の朝、会社の男子トイレの洗面台前で上司にこう言われた。
ワイが「え、近道とかあるんですか?教えてください。」と答えたら、上司は「じゃあ、1000円ね」とお金を要求してきた。
ワイは驚いた。
日常会話でカネを要求されるとは、、、
当たり前の顔で金銭を要求してきた上司に向かってワイがは聞いた。
「え、お金取るんですか?」
上司は鏡でネクタイを整えながら「考えてみいや。いま45分かかる通勤時間を20分に大幅短縮できるんやで。教えるのは今だけやで」と軽いセールストークが始まる。
もう1度いうと、トイレのなかだよここ。
まあ、しゃーないと思って素直に1000円払って、上司から駅から会社までの近道を教えてもらった。
彼が教えてくれた方法を使えば、確かに時間短縮で通勤できた。
「あの路地裏を歩いたらショートカットできるな…」とか「あの時間帯を避けたら、この道が通れたんだな」とか結構有用だったのを覚えている。
情報商材とは?情報が商品ということ

あなたは、この上司についてどう思う?「せこすぎだろ」とか「商魂たくましいな」とか、感じ方はそれぞれだと思う。
まぁ、仲良くしたくはないよね。距離は取りたいとは思うはず。
ワイの場合は「この上司、ワイに情報商材を売ったんだな」と当時感じた。
上司が会社までの近道の情報をワイに売ったってこと。つまり情報商材だよ。 情報商材って言うと聞こえは悪いかもしれないけど、実際に彼は情報を商品として売ったわけ。
ワイはまんまと1,000円を払った。
このブログを読みに来てくれる人にも、情報商材を買った経験がある人は多い。でも、対面でここまでフランクに情報商材を売られた経験はほとんどの人にはないはず。
会社で情報商材を売る上司から学んだこと
上司に会社までの近道の情報を1000円で売られたエピソードは、ワイの中では結構記憶に残っているんだよ。
言ってしまえば「日常のセールス」。
日常的に、ちいさな交渉を成功させる

友達に「自販機おごってくれよ」と言われた経験ない?ワイがカネがない小学生のころは、缶ジュース1本120円をおごるのも嫌だった。
それこそ、ワイの1ヶ月のおこづかいは500円くらい。缶ジュース1本120円を友達に奢るのは流石にきつすぎた。
でも、今考えればこれも日常のセールスだったんだよ。どうすれば缶ジュース120円分をおごってもらえるのか。
120円をおごってもらう方法
例えば「缶ジュース1本奢ってくれたら、明日の宿題半分手伝ってやるよ」と言われたら、ワイは喜んで缶ジュースをおごっていただろうし、むしろ毎日奢ると思う。
大人になった今でも実は同じ。人に手伝ってほしいとき「手伝ってくれ。代わりにコレを手伝うから」と言えるか。
お金がほしいとき、「カネをくれ。その代わりにコレやってやるから」と言えるかどうか。
言えない奴は稼げない。カネが欲しいときに素直に「カネをくれ」と言える奴が、どんな奴より稼げる。どんなテクニックやノウハウを知り尽くす奴よりも稼げる。
需要を作り出して、供給を売る
ただ「お金欲しい。くれよ」というだけでは誰も払わない。そのツッコミは当然だ。
だから需要を作る。
下を見てくれ。


どちらの方が100円もらえるだろうか。田舎なら、庭掃除60分間を100円でやってくれるなら…と優しいご老人が依頼するかも知れない。
豪雪地帯だと、「雪かき1000円でやります」といえば、払ってくれる人も多いだろう。
…まぁ、ぶっちゃけ怪しい風貌のワイが押しかければ断られるとは思うけどね。
相手の痛みへの訴求方法を考える
上司は、会社への近道という情報をこうやって売った。

いま45分かかる通勤時間を20分に大幅短縮できるんやで。教えるのは今だけやで
ワイからすれば、確かに毎日の通勤時間が半分以下になるなら…という気持ちもあったし、今しか買えないなら…という気持ちもあった。
この売り方ウマいよね。
上司がこの売り方を出来た理由、それは上司が当時のワイを観察していたからなんだよな。
セールスで売れる原則

ワイが毎日の通勤で消耗していたこと。サビ残が終わったあとも、終電ギリギリで急いで駅まで走っていたことを彼は知っていた。
もう分かるよな。セールスの鉄則は「相手視点」なんだよ。
相手が欲しいモノを売る。そのためには相手の欲望を知らなくちゃいけない。
もし、自分視点でカネを手に入れようとすると「ワイはカネが欲しい、よこせ」みたいな山賊まがいの恐喝になるのよ。下の画像を見てくれ。

こんなセリフ言われて誰がお金をくれるんだ?なんだその右手はピストルの真似か?お前にカネよこすわけねぇだろっていう話だよね。
実際、営業経験がある人はわかると思うけど、「この商品すごくお勧めなんですよ」みたいな最悪のセールスをする営業は売らないし、モテない。
なぜなら、相手を見ないから。
自分の業績、自分がクロージングできるかどうか、売れない営業が考えるのは自分のことばかりだ。
恋愛でも「巣の自分でも好かれるには」「どうすればホテルに連れ込めるか」「どうすれば落とせるか」みたいな自分の欲望だけ。努力も寄り添う気もない。そんな奴はモテない。
需要への供給。そのためには相手の需要を見ることだ。
情報商材を売っていた上司は自主退職
ちなみに後日談がある。
その上司は、ワイの他にも情報を1,000円で売っていたらしい。「この辺りで安く泊まれる満足度が高いホテル情報」「社内のスキャンダル情報」など。
そのうち、味を占めた上司はマルチ商法の勧誘を社内で始めた。
「これに入会すれば稼げる!」「誰でも簡単にできる!」といった謳い文句を連発し、会社のトイレで雑談を装い、勧誘活動を行いつづけていた。
迷惑以外の何物でもないよな笑。
最初は先輩のやる気と熱意に共感していた人もいたが、結局は詐欺まがいの商売だと気づいた。
彼が勧誘しているマルチ商法に入会しても、実際に稼げるわけではない。むしろ、多額の投資をして損失ばかり。
それが上席にも知られた結果、彼は会社を自主退職した。
なにしてんだ…って話だけど、実際に彼から学んだ経験が今のワイの糧になってる。
あのとき、1000円払ったからこそ、セールスの大事さが染みついたって話。
じゃあな。
会社来るの時間がかかるでしょ?近道を教えてあげようか?